ひとり親style ~それぞれのかたち~ 第6回

Share on Facebook

鳥イラスト アイコン ひとり親style ~ それぞれのかたち ~ プロフィール
【 第6回 】 江成 道子さん (社団法人日本シングルマザー支援協会 代表/トラスト認定 プロフェッショナルコーチ)



5人の娘を育ててきたことと、営業で培ったコミュニケーション力が私の誇り!

社団法人日本シングルマザー支援協会 代表 トラスト認定プロフェッショナルコーチ 江成 道子さん

力強さと優しさが溢れている江成さん。日本のシングルマザーが真の自立をし、母として、女性として、幸せを掴みとるための環境作りを懸命にされています。その江成さんの心の内からでる言葉は、勇気と希望、そして、安心感を与えてくださいました。  

アイコンQ:日本シングルマザー支援協会の活動について教えてください。

 協会は「少し元気なシングルマザーが、まだ元気になりきれていないシングルマザーの手を引こう」をスローガンに、「お金を稼ぐ力を養う」「共感しあえるコミュニティ」「再婚という幸せ」という3つの柱を軸にして活動をしています。そして、女性が子育てをしながら働くには、女性の意識改革と、企業の理解が最も必要だと考えています。
セミナーでの講演
セミナーでの講演
 日本の女性は受け身体質で、やりたいことを抑えるのが美とされてきました。日本の文化だから仕方がないのですが、子育てをしながら男性と対等に働くには、自分が他者に何を与えられるかをアピールすることのほうが大事です。つまり、自分ができることを、臆することなく伝える力です。揺らぎのない自分の軸を定めると、自然にそれに必要なものや合うものがわかるようになります。協会では、皆さんの目標となる30名のスタッフを集結させ、サポート体制を強固にしています。  そして、働く女性を男性社会に受け入れてもらうために、企業セミナーを開催し、女性は繊細で、子育てと仕事に効率よく取り組むことができ、コミュニケーション力にもたけていることを理解してもらえるように、働きかけをしています。  昨今、シングルマザーの人材需要は増えています。事務職のみならず、住宅関連や電気工事など男性中心の分野でも、企業は利益を見越したうえで、女性の採用に積極的です。女性ならではの細やかさや安心感が、女性客の集客に繋がるそうです。  しかし、この事実は当事者である女性に伝わっていません。また多くの女性は、家事や仕事で誰からも評価されなかった経験や、面接に落ちるかもしれないという恐怖から、自分の能力よりも低い求人に応募してしまいがちです。みんながハードルを下げるため、結果として応募が集中して競争率が高くなり、逆に就職しにくい事態を招いています。  仕事をして収入を得ることは、経済的安定はもちろん、心に潤いを与え、人生に喜びを与えてくれます。ですから、女性の仕事の幅や視野を広げるために、情報を提供したり、挑戦するきっかけ作りもしています。
ランチ会での様子
ランチ会での様子
 「共感しあえるコミュニティ」というのは、具体的にはランチ会を主宰して、共感し合い、前向きになれる場を提供しています。お互い否定することなく、認め合える安心な場所のことです。  また、子どもが独立した後の人生を考えて、シングルマザーの再婚活パーティーを主催しています。再婚を願うかたは多く、皆さん本気なので、カップル成立率も高く喜ばれています。協会では、再婚の幸せを体験している再婚カウンセラーが、子連れ再婚に臨む双方の相談役となり、もう一度幸せを掴む手助けをしています。  まず、自分にはこの3つの柱のどれが合うかを見つけてもらえれば、自分はどう生きたいかが見えてくると思います。    

アイコンQ:5人のお子さんを育てながら、仕事も起業の準備もして、大変ではありませんでしたか。

5人のお子さんたち
5人のお子さんたち
 子どもの数は、多いほうが逆に余裕ができます。私の場合は5人とも女の子で、離婚当初、長女は中学校1年生、5女は保育園でした。保育園の送迎は私しかできないことでしたが、娘たちは、ある程度家事ができる年齢だったので、私は娘たちに助けられながら、心の余裕がもてました。ですから、5女が小学校に進級してからは、都内まで通勤ができました。  結婚して1年間だけ家庭に入っていたのですが、やっぱり根本的に働くことが好きで、営業一筋であちこち飛び回っていました。  ところが離婚して3~4年した頃、東日本大震災があり、私は渋谷から何時間もかけて相模原の自宅まで帰りました。その時に「もしこのまま娘たちに会えなくなったらどうしよう。このままの生活でいいのか」と思ったのです。天災などのときに、大切な娘たちの近くにいられない不安と恐怖の体験が、起業を具体的に進めるきっかけになりました。実は、以前から漠然と「会社を作りたい」という思いがあったのです。  そこで、自分は何をしてきて、何ができるかを考えた結果、シングルマザーで5人の娘を育ててきたことと、22歳からやっている営業で培ったコミュニケーション力が自分の誇りだ、ということに気づきました。ちょうどその頃に出会ったコーチングを通じて、シングルマザーの人たちとランチ会を始めたところ、皆さんに、心の拠り所や認められたいという思いがあることに気づき、昨年7月に協会を設立しました。現在520名の会員がいます。その方たちのお役に立つことが私の原動力です。  

アイコンQ:パワフルなモチベーションは、コーチングとの出会いがきっかけですか。

 コーチングもありますが性格ですね(笑)。でも、何をしてもプラスに受け取れないときもあります。例えば、朝の占いでマイナスとプラスの両方のことを言われて、マイナスのことしか自分の中に残らない時は、無理に動いたり自分を奮い立たせたりはしませんね。  コーチングは自分の感情と向き合う手法です。感情は自分の心のリズムを表すもので、気づきの材料となります。例えば、「不安」は悪く捉えられがちですが、原因や解決方法を考える気づきの材料になるので、決して悪い感情ではありません。しかし、そこに他人の意見が介入すると、惑わされたり、不満を感じます。  いつも自分を客観視して、心の浮き沈みを知ることができれば、たとえ壁にぶつかってもまた動けるようになるし、他人に対する態度が変われば、自分に返ってくるものも変わってきます。  

アイコンQ:お子さんたちから「もっと一緒にいて欲しい、寂しい」などの声はありませんでしたか。

 娘たちは、姉が成長して家を巣立っていくのが寂しかったようです。5女は、長女と12歳差で、上の子たちの独立を見てきたので、特にそう思ったようです。でも、きっとその寂しさの中にも学びがあったと思います。
初めてのお孫さんとともに
初めてのお孫さんとともに
 長女は今年25歳で10月に男の子を出産したばかりで、次女は22歳で1歳10か月の女の子がいるので、私はおばあちゃんです。娘たちは若く、子どももいて生活が大変ですが、よく働きます。以前、次女に「お母さんは忙しく働いているけど、私はゆっくり働くから」と言われたことがありました。でも今では「働くのって楽しそう、早く働きたい」と言っています。今、一緒に住んでいる4女、5女も「早くバイトがしたい」「早く働きたい」と言っています。  子どもは働くということを、親の姿から学ぶしありません。子どもは、父親の働く姿を見ることができませんが、父親に対する母親の尊敬度で、父親の仕事を間接的に見ています。でも、母親が父親を尊敬できない家庭が多くなっている今、離婚が多くなったり、働かない若者が増えているのだと思います。  親が環境を整えてイキイキと働いていれば、それを見た子どもも、将来真の自立ができるでしょう。そのためにも、親がまず精神的な自立をし、働いて収入を得て経済的な自立をすることが必要だと思います。個人的には自分の経験から、万能な営業職を勧めたいという思いがあります。  

アイコンQ:最後にひとり親の方へのアドバイスをお願いします。

 ひと言で伝えるならば「大丈夫だよ」「焦らなくていいよ」です。実はこれは、25歳の時の自分に言ってあげたい言葉でもあります。一人で全部ちゃんとやろうと思うと、先が見えなくなったり、足がすくんでしまったり、焦ってしまいます。時には、自分を否定してしまうこともあるかもしれません。一人の力には限界があり、それが当たり前です。でも焦らず、勇気をもって最初の1歩が踏み出せれば、2歩目は難しくありません。何かひとつできれば2つ目もできます。  最初の1歩を踏み出すために、まず、自分の身を安心できる環境においてください。そして夢を持って欲しいです。例えば身近な人の中に理想の人を見つけて、その人のことを真似るだけでも、自分の中に変化が起こります。また著名人の本を読むことも大事です。  必ず、自分を認めてくれる場所がありますから、探してみてください。 ライン portlait
江成 道子さん
(社団法人日本シングルマザー支援協会 代表/トラスト認定 プロフェッショナルコーチ)
■プロフィール 1968年8月生まれ 20歳で結婚して、子ども3人に恵まれるが、夫の仕事のトラブルが原因で27歳で離婚 31歳で再婚し、2人の子どもを授かるも、借金とDVが原因で37歳で離婚 2011年9月28日 開業届提出し、会社員と個人事業主を両立 2013年7月 一般社団法人日本シングルマザー支援協会設立 ■HP:http://シングルマザー協会.com/  FB:https://ja-jp.facebook.com/singlemother.society  ブログ:http://ameblo.jp/rinamana77/ ■資格 トラスト認定プロフェッショナルコーチ ファイナンシャル・プランナー資格 シングルマザー専門ファイナンシャルコーチ
       

>> ひとり親style 第7回 笑顔は幸せを運んでくると信じています。 福山道子さん(株式会社あたかファクトリー 事業企画担当執行役員 住まいの三重奏 チーフマネージャー/整理収納アドバイザー)