ひとり親style ~それぞれのかたち~ 第2回

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【 第2回 】 渡邊 裕子さん (医療機関勤務/テレワーカー)



一日一回でもクスッと笑えたら、気持ちよく眠れるね。

医療機関勤務/テレワーカー 渡邊 裕子さん

はまみらい.ネット第1期生で、卒業後は医療の仕事を続けながら、テレワーカーとしても活躍。同期の仲間や後輩から絶対的な信頼を集める渡邊さんに「できなくたっていいんだよ、だって人間じゃない」とにっこり笑える、強さと優しさのひけつをお伺いしました。  

アイコンはまみらい.ネット第1期卒業生の渡邊さんですが、お仕事のことを教えていただけますか?

中学校の卒業式 今は、平日は医療関係で働いていますが、他にもテレワークと、もうひとつ仕事を掛け持ちしています。 1番多い時は5つ掛け持ちしていました。2つ~3つの仕事を同時進行でこなしていましたね。 当時は同じ職場で2つの業務が進行していたので、シフトによってはあっちの業務、こっちの業務と、移動しながら働いていました。経理をやっていたときは、決算時は悲惨でしたね。 家に居ても、パソコン2台をフル回転させながらのテレワークと家事を同時進行したり、テレビと音楽の両方を聴いたりと、普段から複数のことを同時にすることは慣れていたので、仕事でも同時進行は苦にはなりませんでした。 「これが終わったら、ビールを飲むぞ!」とか、「ケーキ食べるぞ!」と、いつも目先に人参をぶら下げて頑張っていました。遊びたいときや、買いたいものがあるときも、「いくら必要だから、あと何件仕事をこなそう」などと、いつも頭の中では、電卓が働いていましたね。 離婚する前は、在宅で通勤するサラリーマン位の収入がありましたので、収入面の心配はさほどなく、離婚して晴々とした気持ちで、「なるようになるさ!」と思っていました。 ところが、離婚直後に、事業が撤廃されて収入がなくなり、公的な手当だけが頼りの生活になってしまいました。「とにかく働かなくては!」という気持ちがありました。 それに、結婚しているときは、自分を押し殺して生きていました。だから、仕事をして成果を上げること、人に喜ばれることで、「私は今生きている」と自分の存在を感じることができたのです。 関わる方にありがとうと言ってもらえる。名前を呼んでもらえる。仕事仲間にお疲れ様と言ってもらえる。すべてのことが少しずつ私の自信になりました。一つひとつが、自分自身を取り戻すために必要な作業だったのかもしれません。そして、たくさんの人に支えられ、助けてもらえたことが、今の自分を支えているのだと思います。  

アイコン育児との両立は大変ではありませんでしたか?

離婚したのは息子が6歳になったころでした。まだ小さかったですし、何度も引っ越しを余儀なくされました。 息子にはたくさん我慢をさせたと思いますが、仕事の手が空いた時などは、思いっきり一緒に遊びました。遠出をしなくても、どこへ行っても遊べる我が家。ペットショップに行って、動物園気分、学童保育のキャンプに同行して、どさくさにまぎれてわが子と川遊びで真剣バトル(水のかけあいっこ)など、お金をかけなくてもいくらでも遊べるのです。こんな時、たまった家事は見えないことにしていましたね。 子育てが大変だったかと聞かれると、今はまだわからないです。ただ、一時息子がいじめにあっていたことがあり、その時の私は、自分のことで精一杯で、上手に彼をサポートできなかったというのが、今の私には心残りです。 また、父親と母親の2役をひとりでやってやるという気負いは、いつしか自分を追い詰めて、ひとりで苦しくなってしまったこともありました。 でも息子が小学2年生の時、こう言ってくれました。「お母さんは、お母さんだからいいじゃない。」この言葉で本当に楽になったのです。「あぁ、父親にはならなくてもいいんだ」って。 今では、息子が一番の理解者だと感じています。最近は私と同じ医療関係に進みたいと言いはじめました。そして、あいさつのできる子に育ってくれたことが、なによりうれしいと思っています。
渡邊さん作のイラスト
渡邊さん作のイラスト

アイコン受講中は、ポジティブで頑張り屋さんだったとのことですが、はまみらい.ネット受講の体験談を聞かせてください。

区民活動センターのパンフレット置き場で、はまみらい.ネットのパンフレットを見つけました。パソコンを教えてもらえて、なおかつ手当がいただける。願ったり叶ったりですよね。「これだ―!!」と思いました。 試験を何とかクリアし受講生になったものの、いきなり入院してしまい大ピンチに陥りました。あの月は、よくひと月54時間という学習時間 をクリアできたねと周りから言われていました。やり残しはしたくないじゃないですか。 ですが、学習時間や課題のクリアが思った以上に大変でした。7回も課題の再提出をしたこともあります。もうだめかもしれないと思って、講師に相談し、励まされたこともありました。 「教わっているんだから、わからないことがあってもあたりまえ」 そう思えるようになってからは、毎日わくわくしながら、受講できた気がしています。 講師陣も魅力的で感性に刺激を受けましたね。受講中に出会った仲間は今も私を支えてくれています。彼・彼女たちがいてくれるからもう少しがんばれる。今の自分がいるのは、はまみらい.ネットのおかげだと思っています。  

アイコン仕事に育児に大変でご苦労も多いかと思いますが、気持ちの切り替え方、リラックス方法がありましたら教えてください。

仕事でも育児でも、泣きたくなるような気持ちになることはあります。そんなときは、短い時間でも好きな音楽を大音量で聞きながら通勤してみたり、テレビを見て笑ったりしています。息子と始めた剣道もストレス解消になりますよ。大きな声を出すのですっきりします。 あとは、ちょっと贅沢なストレス解消法なのですが、お風呂にお湯をたっぷりためて、そこにザパーンと入るのです。あふれるお湯といっしょに、嫌なことは全部水で流してしまうのです。これもすっきりしますよ。 友だちとお酒を飲みに行ったりもします。本音で話すことで、新しいアイデアが浮かんでくることも多いし楽しいです。クスッとでも笑えたら、その日は気持ちよく眠れる。私はそう思っています。 どんなことでもいいのです。テレビが面白かったとか、ドジしちゃったなとか、子どものこととか、1日にひとつでも楽しかったこと、うれしかったことを思い出してみると、自然とクスッと笑ってしまいます。 人それぞれですが、自分なりのストレス解消法をいくつか持っているといいですよね。  

アイコンこれからやりたいことはありますか?また、このような機会に伝えたいことがありましたら教えてください。

狂言の衣装 私は10年以内にやりたいことがあります。ひとり親の集える場所があったらいいなと。大人も子どももいつでも来られる、『鍵のかかっていない場所』。 そこで、子どもたちは、勉強や遊びを知っている子が、知らない子に伝えていく。親は悩みを共有するなど、何でも言い合える場所、助け合える場所を作りたいなと思っているのです。そして私はそこの『口うるさいおばちゃん』になりたいんですよ。 古びた平屋の一軒家を借りて、そして、自分が人に支えられて生きてきた分の恩返しをしたいと思います。 インタビューのお話をもらった時、私なんかがおこがましいのではないかとも思いましたが、今、ひとり親になって不安な人に、こんないいかげんなひとり親もいるということを知ってほしかったんです。「できないことがあってもいいんだよ、だって、人間だもの」と伝えたいのです。 なるようになります。法的なサポートもたくさんありますから、どんどん使っていってほしいです。調べればたくさんあります。「私たちはそんなに不幸じゃないんだよ」と言いたいです。 ライン プロフィール画像医療機関勤務/テレワーカー 渡邊 裕子 プロフィール 北海道小樽市生まれ。現在高校2年の息子とふたり暮らし。 看護師をめざすが、一度はあきらめてOLとなる。その後、医療の道をあきらめきれず、医療機関にて働くようになる。現在は医療機関で働きながら、テレワークの道を歩む。 剣道二段、特技はどこでも眠れること。 はまみらい.ネットでは、DTPコースを選択。  

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