ひとり親style ~それぞれのかたち~ 第1回

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鳥イラスト アイコン ひとり親style ~ それぞれのかたち ~ プロフ写真
【 第1回 】 石尾ひとみさん (有限会社アビリティ/こどもの森ほいく舎 代表)

This is me! ~これが私という生き方~

有限会社アビリティ/こどもの森ほいく舎 代表 石尾ひとみさん

結婚前は、シンクタンクで活躍、その後フリーライターに転身、現在は「こどもの森ほいく舎」の園長であり、ジャズシンガーもこなすスーパーウーマンの石尾さんにお話を伺いました。  

アイコンシングルになり、「こどもの森ほいく舎」を立ち上げるまでの経緯を教えていただけますか?

卒園写真 離婚当時、息子は5歳、保育園と職場、自宅をただグルグルと回る生活でした。生活も切り詰めて、家賃を含めて月8万円でやりくりしていました。しかし、ライターのように締め切りに追われる受け身の仕事では、自分と子どもの時間が確保できないし、金銭的にも限界があったので、いつかは自社事業を立ち上げたいと考えました。どうせやるなら、社会貢献をしたいと思い、息子が小学校3年生の時に保育園を開設しました。 事業を始めた当初は必死で、霧がかかった山に登るように、目の前しか見えていませんでしたが、今思えば、頂上が見えていたらあきらめていたかもしれません。事業を立ち上げるということは大変な作業で、息子との時間がほしくて始めたのに、結局息子と一緒にいる時間は削られました。でも本当に、一緒にいることだけが愛情なのだろうか?そう考えた時、いや、それだけではないはずだ、母が必死に働く姿、人のためにがんばる姿を見せながら育てることも負けないくらい大切で、大きな愛情ではないか?そう思ったのです。  

アイコン仕事と子育ての両立など、いろいろと苦労されたと思いますが、ご自分なりのお考えや、 工夫されたことなどありましたら、教えてください。

まず、「職場と自宅は近く」というのは、絶対条件でした。通勤に使う時間をできるだけ削り、仕事や育児の時間に充てようと考えました。それでもなかなか生活は安定せず、転校もさせたので、「息子を守らないと」という気持ちは強かったですね。また、息子から父親のいる生活を奪ってしまったという負い目がありました。男の子が大人になる過程には、自分で負かしきれない相手が必要と思い、父親のかわりというと、あまりにも大きな存在かもしれませんが、中学1年から高校3年まで毎年、息子と富士登山をしました。どんなにがんばっても負かすことができないものがある。自然に対する畏怖畏敬という概念とともに、自分の存在がどんなにちっぽけなものか、ということを知ってほしかったのです。もちろん私も一緒に登り、息子と等身大で向き合うことが大切と考えました。  

アイコンご自分のこれまでの人生を振り返って、人生の転機だったと思うことがありましたら 教えていただけますか?

息子が中学2年の時、子宮頸癌が発覚したことでしょうか。1年ほど前から体調の変化には気がついていましたが、軽く考えていたんですね。5年後の生存率が50%と聞き、自分の人生はいつか終わる、いつまでも続いていくものではないとあらためて思いました。息子には「自分の人生は自分で考えて決めなさい」と伝えました。もちろん、命をあきらめた訳ではありません。自分の生活を徹底的に見直しました。交感神経(ON)と副交感神経(OFF)の切り替えをしっかりとすることを心がけました。実は、これが心と体にもとてもよい効果を与えてくれたんですよ。今では、癌は切らないまま完全治癒してしまいました。5年以上たちましたが癌は消え、転移や再発もありません。不思議ですよね。  

アイコンとても忙しい日々をすごされていらっしゃいますが、ご自分のための時間はありますか?

歌っている写真幼少よりクラシックピアノを習い、音楽を身近に感じて育ちました。学生の頃はバンドのキーボードを担当しており、たまに、ボーカルを担当することもありました。今思えば子どもの頃からシンガーになりたいという願望を持っていました。離婚して大変だった時、今の自分に足りないものは何かと考え、それは音楽だと思ったのです。その頃不登校になりかけていた息子が音楽に興味を持ち始めたこともあり、本格的に音楽の世界に戻ろうと考えました。息子の目標になりたいじゃないですか。そして、40代でジャズシンガーとしてデビューしました。仕事をしながらだって、家事をしながらだって歌の練習はできます。一度に長くやるのではなく、毎日、少しずつでもやり続けることが大切ですね。自分の興味のあることに進んでいくことは、苦にならないのではないでしょうか。  

アイコン母として、園長として、がんばっているご自分をほめてあげたいことなどありましたら、教えてください。

親子息子が音楽に興味を持ち始めたころ、私のステージにあげて一曲だけギターを弾いてもらったことがあるんです。息子は、人前で演奏することに対する責任、今以上の努力が必要であること、お金を稼ぐのは大変であること、好きなことを続けたければ自分の人生の設計をしっかりと立てることも必要であることを、一度のステージで感じ取ってくれたと思います。 そんな息子が最近、「小さな頃、夜パソコンに向かう母さんの後姿と、モニターに映しだされる顔は悲壮なものがあって、一緒に寝てほしいと言えなかった。でも、そんな母さんの姿は、今思うととてもかっこよかった」と言ってくれたのです。何よりのほめ言葉です。自分の一番の成功。それは子育てだったのかも知れません。最高の親子関係が築けていると、胸を張って言えますね。  

アイコン今後、どのような活動をして、どのようなことを伝えていきたいと思っていますか?

「こどもの森ほいく舎」では、モチベイティブ・ペアレンティング(子どもの内的動機づけを基にして能力を伸ばす関わり)を広めていきたいと思っています。より良い親子関係を築いていくお手伝いをしたいですね。子どもの成長がみられるって、これほどの幸せはないと思います。この思いはペアレンティングホーム(子育ても仕事も楽しく両立するシェアハウス http://stone-s.co.jp/sharehouse/takatsu_top)の立ち上げにつながりました。 シンガーとしては、ライブ・ツアー活動など、積極的に挑んでいきたいと思いますし、ライターとして、セミナー・出版などやりたいことは山積みです。いつも忙しくしていますが、これが私なのだと思います。私のしていること、そのすべてがThis is me! なのです。  

アイコン最後に、これからシングルで頑張ろうとしている方たちに伝えたいことや、アドバイスをいただけますか?

心を落ち着かせ、自分は人生に何を求めているのか、自問してみてください。他人からの評価に惑わされることは、結局あとになって無駄であることが多いのです。自分の頭と心で答えを出す、そしてその答えに背を向けずに歩んでいけば、必ず心の平静が得られると思います。子どもはそんな母親のあり方を見て、自然と大切なものは何かを学んでいくでしょう。子どものありのままを受け入れ、お互いが認め合えるように、理解者である関係になってほしいです。 また、息子の進学の時に、無利子で進学の費用を貸してくれる横浜市の制度を利用し、とても助かったと感謝しています。生活で困ったり、子育てで困ったりしたときは、国、県、市などの制度がたくさんあるので、知ってほしいし、ぜひ利用してほしいと思います。 ライン プロフ写真有限会社アビリティ/こどもの森ほいく舎 代表 石尾ひとみさん プロフィール シンクタンク「環境企画研究所」勤務を経て、1988年よりフリーランスで執筆活動を開始。スキューバダイビング、マウンテンバイクなどの趣味を活かして、レジャー施設開発プロジェクトに多数参加。「女性関連市場」をメイン・テーマとする。「女性の仕事と育児の両立」「男女参画社会の実現」などの問題に深くかかわる。自らワーキングマザーとして仕事を続けてきた経緯から、「働く親の現実に則した保育環境の実現」を目標にかかげ、2000年「こどもの森ほいく舎」を開設。福祉の枠を超えた民間による保育のあり方を提言している。執筆・セミナー講師・教材制作・調査・取材などのプロジェクト運営と並行し、保育園の園長を担っている。2012年、シングルマザーとその子ども達のためのシェアハウス「ペアレンティングホーム高津」のコンセプトメイキング、運営にかかわり、多数のマスコミに取り上げられた。 また、ジャズシンガー「 ‘s Honey」(スハニー)として音楽活動を続けており、2010年ジャズレーベルart of spirit(s) よりアルバム「La,la,mu」をリリースしている。 〒220-0023 神奈川県横浜市西区平沼1-40-17モンテベルデ横浜2階 有限会社アビリティ/こどもの森ほいく舎 TEL 045-290-5356 / FAX 045-290-5357 E mail / ishiohitomi@kodomonomori.com URL / http://www.kodomonomori.com   こどもの森ほいく舎 事業概要 直営園2000年4月開園「こどもの森ほいく舎横浜園」(保育園・幼児園・学童園)横浜市西区平沼 こども英会話教室運営、保育者の家庭訪問保育、イベント保育受託(住宅展示場やショッピングセンター内のキッズスペース運営受託)、教材開発、人材教育 *保育事業以外に結婚式場やイベント会場での生演奏受託業務   執筆/制作
  • 「スポーツ&レジャー施設事業化資料集」「ミュージックビジネス事業化計画資料集」「ゴルフ練習場事業化計画資料集」「ニューエイジビジネス事業化資料集」レジャーやリゾート施設における運営プランなど/綜合ユニコム
  • 「BE-PAL」マウンテンバイク・キャンプ・ウォーキングの特集など/小学館
  • 「島の旅」「市場の旅」沖縄の離島旅行記など/山と渓谷社
  • 「海と島の旅」「マリンダイビング」「ラ・スクーバ」詩・旅行記・ダイビングのノウハウ記事など/水中造形センター
  • 「アプロード」映画・演劇・文化人インタビューなど/アーバン企画
  • 「LIZ」離婚・非婚問題など/キルタイムコミュニケーションズ
  • 「アミティエ」エッセイ10回連載/綜合法令
  • 「IBUIBU」エッセイ3回連載/トランタンネットワーク社
  • 朝日新聞神奈川版教育面「まなびの場で」コラム5回連載/朝日新聞社  (抜粋)
  • カネボウ化粧品労働組合小冊子「MUSE」
  • サンリオ「ABCクラブ」英会話教材・指導資料
  • ECC外語学院ホームページ各校・各コース紹介  (抜粋)
 

>>ひとり親style 第2回 一日一回でもクスッと笑えたら、気持ちよく眠れるね。 渡邊 裕子 さん(医療機関勤務/テレワーカー)